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スマホの中の財産、どう引き継ぐ?〜見落としがちな「デジタル財産」の相続・生前対策から死後手続きまで〜

皆様、こんにちは。武鹿司法書士事務所、代表司法書士の武鹿です。

当事務所では、日々多くのご家族様から相続に関するご相談を承っておりますが、近年、急激に増えているお悩みの種があります。それが「デジタル財産の相続」です。

一昔前であれば、財産といえば紙の通帳や権利証、株券などが主流であり、ご自宅の金庫や引き出しを探せば、ある程度の全体像を把握することができました。しかし、スマートフォンやパソコンが一人一台の時代となり、私たちの生活が便利になる一方で、財産のあり方も大きく変化しています。

「親が亡くなったが、ネット銀行を利用していた形跡がある。しかし、どこの銀行か、残高がいくらか全くわからない」 「亡くなった夫のスマートフォンにパスワードがかかっており、中身を確認できない」

このようなご相談が後を絶ちません。今回は、残されたご家族が困らないために、そしてご自身の財産を確実に引き継ぐために知っておくべき「デジタル財産(デジタル遺品)」の相続と、その対策について詳しく解説いたします。


1. デジタル財産(デジタル遺品)とは何か?

「デジタル財産」という言葉に明確な法的定義はありませんが、一般的にはスマートフォンやパソコン、クラウド上に保存されているデータや、インターネットを介して利用しているサービス・権利全般を指します。大きく以下の3つに分類して考えると分かりやすいでしょう。

① 金銭的価値のある財産

② 継続的な支払いが発生しているサービス(サブスクリプション)

③ 思い出のデータやSNSアカウント


2. デジタル財産相続の難しさ・よくあるトラブル事例

デジタル財産が従来の相続と大きく異なるのは、「実体がない」という点です。物理的な存在感がないため、以下のような深刻なトラブルに発展するケースが多く見られます。

■ 存在に気づけず、財産が放置されるリスク

ネット銀行やネット証券は、郵送物が届かない設定にしている方がほとんどです。そのため、ご家族がその存在に気づかないまま相続手続きを終えてしまうことがあります。後になって多額の預金が見つかった場合、遺産分割協議をやり直す必要が生じ、親族間のトラブルに発展する可能性があります。

■ パスワードがわからず「ログインの壁」に阻まれる

存在に気づいたとしても、IDやパスワードが分からなければログインして中身を確認することができません。特にスマートフォンの端末自体に強固なロックがかかっている場合、メーカーや通信キャリアに依頼しても、プライバシー保護の観点からロック解除に応じてくれないのが原則です。

■ 追徴課税のリスク

暗号資産やネット証券での多額の取引があったにもかかわらず、その存在を知らずに相続税申告から漏れてしまうと、後日税務署から指摘を受け、多額のペナルティ(追徴課税)を課される恐れがあります。

■ データ消去による永遠の喪失

パスワードを思い当てようとして何度も間違えて入力すると、セキュリティ機能が作動し、端末が初期化(データがすべて消去)されてしまう設定になっているスマートフォンもあります。大切な写真や連絡先が二度と戻ってこないという悲劇も起きています。


3. 今すぐ始めるべき「生前対策」の重要性

このような事態を防ぐためには、ご自身が元気なうちに対策をしておくことが何よりも重要です。「自分には大した財産はないから」と思う方でも、デジタルサービスを一つも利用していない現代人はごく少数です。残されるご家族への思いやりとして、以下のステップを進めてみてください。

① デジタル財産の棚卸しと目録の作成

まずは、ご自身が利用しているネット銀行、証券口座、サブスクリプションサービス、SNSアカウントなどをすべて書き出してみましょう。そして、「どの機関に」「どんなアカウントを持っているか」を一覧表(デジタル財産目録)にします。

② IDとパスワードの適切な管理

目録にはIDやパスワードも記載しておくのがベストですが、セキュリティ上、ノートにすべてを書き出して机の上に置いておくのは危険です。 おすすめなのは、「エンディングノート」や「遺言書」には「どの金融機関に口座があるか(存在のみ)」を記載し、「パスワードを管理しているノートの保管場所」や「マスターパスワードのみ」を信頼できる家族に伝えておく、といった二段構えの方法です。また、最近ではパスワード管理アプリの「緊急アクセス機能(自分が一定期間アクセスしないと、指定した家族に情報が開示される機能)」などを活用するのも有効です。

③ 不要なサービスの解約(デジタル断捨離)

使っていないクレジットカード、過去に登録したまま放置しているサブスクリプションサービス、利用していないSNSアカウントなどは、元気なうちに解約・削除しておきましょう。管理する情報が少なければ少ないほど、ご家族の負担は軽減されます。

④ スマホの継承設定を活用する

iPhone(Apple)には「故人アカウント管理連絡先」、Googleアカウントには「アカウント無効化管理ツール」という機能が備わっています。これらは、万が一自分が亡くなった際に、指定した家族が自分のデータにアクセスできるように事前設定しておくシステムです。スマートフォンの設定画面から数分で完了しますので、ぜひ設定しておくことをお勧めします。


4. ご家族が亡くなった後の対応(死後手続き)

もし、事前の準備がないままご家族が亡くなられてしまった場合、どのような手順で調査を進めればよいのでしょうか。

① 焦ってパスワードを何度も入力しない

前述の通り、スマートフォンのロック解除を闇雲に試すのは非常に危険です。まずは落ち着いて、周囲にある手がかりを探しましょう。手帳、メモ帳、パソコンのデスク周りにパスワードが書かれた付箋などがないか確認します。

② メールや郵便物、通帳の履歴から探る

パソコンやタブレットなど、ロックがかかっていない端末でメールが見られる場合は、金融機関やサービス会社からのお知らせメール(「取引明細のお知らせ」「パスワード変更完了」など)がないか検索してみましょう。また、メインで使っていた実店舗の銀行通帳やクレジットカードの利用明細を確認し、「〇〇ネット銀行への送金履歴」や「〇〇サービスへの定期的な支払い」がないかをチェックすることで、デジタル財産の存在を推測できます。

③ 各機関への連絡と相続手続き

ネット銀行やネット証券の存在が判明した場合、手続きの流れ自体は実店舗の金融機関と大きく変わりません。各機関のコールセンターや相続専用のウェブ窓口に連絡し、口座名義人が亡くなった旨を伝えます。その後、戸籍謄本や印鑑証明書、遺産分割協議書などを郵送(またはデータアップロード)することで、解約や名義変更の手続きを行います。

④ SNSアカウントの取り扱い

故人のSNSアカウントをそのまま残しておくと、乗っ取りの被害に遭い、友人・知人に迷惑をかけてしまうリスクがあります。FacebookやInstagramなどでは、死亡証明書(戸籍謄本など)を提出することで、アカウントを「追悼アカウント」に移行したり、完全に削除したりする申請が可能です。ご家族で話し合い、適切な処置を行いましょう。


5. デジタル財産の相続は、専門家(司法書士)にご相談を

ここまでデジタル財産の相続について解説してまいりましたが、悲しみの中で、見えない財産を探し出し、一つひとつカスタマーサポートに連絡して手続きを進めるのは、ご遺族にとって心身ともに計り知れない負担となります。

そんな時は、どうか私たち司法書士にお任せください。 司法書士は「相続手続きの専門家」です。当事務所では、以下のようなサポートを行っております。


6. おわりに

「デジタル」という言葉を聞くと、少し難しく冷たいもののように感じるかもしれません。しかし、スマートフォンやパソコンの中に残されたデータは、故人が生きた証拠であり、大切な財産の一部です。

デジタル化が進む現代において、これからの相続対策は「目に見える財産」と「目に見えないデジタル財産」の両輪で考えていく必要があります。

「自分のスマホやネット銀行、このままで大丈夫かな?」 「親が亡くなったけれど、ネット口座があるようでどう手続きしていいかわからない」

少しでも不安や疑問を感じたら、決してひとりで抱え込まず、まずは当事務所にご相談ください。専門用語を使わず、わかりやすく丁寧にご説明させていただきます。

初回のご相談は無料にて承っております。お電話、または当ホームページのお問い合わせフォームより、いつでもお気軽にご連絡ください。皆様の不安を安心に変えるため、全力でサポートさせていただきます。

この記事の執筆者
武鹿事務所 代表 武鹿正治
保有資格 司法書士・土地家屋調査士
専門分野 相続・土地建物の登記関連
経歴 お客様からの信頼を第一に考えて、提案、行動する事務所であることを心がけています。迅速に対応し丁寧に相談に乗り、誠実にお客様と向きあうことをモットーとしています。

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