遺族年金の受給

家族の大黒柱が亡くなったとき、家族の生活を保障するために、故人が積み立てていた年金を受けとることができる制度があります。
遺族に対する給付の種類ついては、故人が当時加入していた保険の種類により、受け取れる給付が決まります。

遺族年金の種類

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第1号被保険者の方が受け取れる年金は?
第2号被保険者の方が受け取れる年金は?
第3号被保険者の方が受け取れる年金は?

1.第1号被保険者の方が受け取れる年金

第1号被保険者が亡くなった場合、遺族は
遺族基礎年金
② 寡婦年金
③ 死亡一時金
のいずれかを受け取ることが可能です。

① 遺族基礎年金(子育てのための保障

【遺族基礎年金の給付条件】

支給対象 ・老齢基礎年金をもらう資格期間(25年以上)を満たす
・保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が加入期間の3分の2以上ある
対象者 ・子のある妻
・子
手続き 国民年金遺族基礎年金裁定請求書記入
必要なもの 年金手帳、戸籍謄本、死亡診断書、源泉徴収票、住民票、印鑑

<子のある妻に支給される遺族基礎年金>

子の数 基本額 加算額 合計
1人のとき 786,500円 226,300円 1,012,800円
2人のとき 786,500円 452,600円 1,239,100円
3人のとき 786,500円 528,000円 1,314,500円

<子に支給される遺族基礎年金>

子の数 基本額 加算額 合計
1人のとき 786,500円 なし 786,500円
2人のとき 786,500円 226,300円 1,012,800円
3人のとき 786,500円 301,700円 1,088,200円

したがって、遺族基礎年金は、子育てのための生活保障を目的としていることがわかります。国民年金からの遺族年金の対象が、子または子のある妻であるため、どもがいない場合、保険料を何も受け取れないことになってしまいます。
これを補填するために、2つの制度(寡婦年金・死亡一時金)が用意されています。

② 寡婦年金(妻がもらえる年金

寡婦年金は、国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた期間(免除期間を含む)が、25年以上ある夫が亡くなったときに、10年以上継続して婚姻関係にあり、生計維持されていた妻が受けることができます。

支給対象 老齢基礎年金をもらう資格期間(25年以上)を満たす
対象者 10年以上の婚姻関係にある故人の妻
(ただし18歳以上の子どもを持たない)
支給期間 60歳から65歳まで
(60歳から65歳までに亡くなった場合は、死別後65歳まで)
受取金額 老齢基礎年金の3/4
必要なもの 年金手帳、戸籍謄本、死亡診断書、源泉徴収票、住民票、印鑑

③ 死亡一時金(年金納入期間が最低三年

死亡一時金は、国民年金の寡婦年金よりも納入期間が短い被保険者の年金を、受け取ることができます。さらに、対象者が配偶者・子以外にも、生計を同じくしていた遺族が受け取ることができます。

その反面、他の遺族年金よりも受給額は低いのが特徴です。

支給対象 国民年金の第1号被保険者の保険料納期が36ヶ月以上
対象者 生計を同じくしていた遺族(①配偶者②子③父母④孫⑤祖父母⑥兄弟姉妹の中で優先順位が高い方)
支給期間 一度
必要なもの 年金手帳、戸籍謄本、住民票、受取先の金融機関通帳等、印鑑、

【死亡一時金の支給額】

保険料納付済期間 金額
36月以上180月未満 120,000円
180月以上240月未満 145,000円
240月以上300月未満 170,000円
300月以上360月未満 220,000円
360月以上420月未満 270,000円
420月以上 320,000円

2.第2号被保険者の方が受け取れる年金

第2号被保険者(厚生年金の方)の遺族の方は遺族厚生年金を受け取ることができます。
遺族厚生年金の中でも、故人との受給者との関係に応じて、2通りの場合に分かれます。
①18歳未満の子のある妻、もしくは、18歳未満の子
②子のない妻、夫、父母、孫、祖父母

①.18歳未満の子のある妻、もしくは、18歳未満の子の場合

子どもがいる、亡くなった方の妻、もしくは亡くなった方の子どもは、遺族基礎年金に加えて、遺族厚生年金を受け取ることができます。

【①の場合の年金受給額】

ケース 年金額
子のある妻が受ける場合 遺族厚生年金(報酬比例の年金額×3/4)+遺族基礎年金+子の加算額
子が受ける場合 遺族厚生年金(報酬比例の年金額×3/4)+遺族基礎年金+二人目以降の加算額

②.子のない妻、夫、父母、孫、祖父母が受給者である場合

(ア) 中高齢の妻
(イ) それ以外の遺族

遺族年金の受給者が子どものない妻、夫、父母、孫、祖父母である場合遺族基礎年金が支給され、厚生年金保険の独自給付として遺族厚生年金が単独で支給されます。
さらに、②のうち、子のいない40歳以上の妻は、中高齢の加算として、受給額が上乗せされます。

中高齢の妻が遺族年金を受け取る場合

妻が40歳以上で夫を亡くした場合、通常の遺族厚生年金に中高齢の加算がされます。
もし、夫が死亡した当時に子どもが18歳未満である場合、子どもが18歳を迎えるまで、遺族基礎年金+遺族厚生年金が支給され、その後、妻が65歳になるまで遺族厚生年金+中高齢の加算が受け取れます。

ケース 年金額
その他の人が受ける場合 遺族厚生年金(報酬比例の年金額×3/4)
子のない中高齢の妻が受ける場合 遺族厚生年金(報酬比例の年金額×3/4)+中高齢の加算
40歳に達したとき、夫の死亡の当時から生計を同じくしている子がいる妻 (子どもが18歳未満)遺族基礎年金+遺族厚生年金
(子どもが18歳以上)遺族厚生年金+中高齢の加算

3.第3号被保険者が受け取れる年金

遺族共済年金

第三号保険者(共済年金)の被保険者は、遺族共済年金を受け取ることができます。遺族共済年金が受給される範囲は、被保険者が次のいずれかに該当し、その人によって生計を維持していた遺族に支給されます。

対象 ・組合員が在職中に死亡したとき
・組合員が退職後、組合員であった間の病気・けがが原因で、初診日から5年以内に死亡したとき
・1級・2級の障害共済年金の受給権者が死亡したとき
・退職共済年金等の受給権者又はその受給資格期間を満たした人が死亡したとき
支給の対象 配偶者および子、父母(養父母、実父母の順)、孫、祖父母(養父母の養父母、養父母の実父母、実父母の養父母、実父母の実父母の順)

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